舛添厚生労働大臣、酒井法子、押尾学、そして選挙報道
舛添要一厚生労働相は19日、厚生労働省内で記者会見し、「本格的な流行がすでに始まっている可能性がある」とし、「国民一人ひとりが感染防止対策を実践してほしい」と呼びかけた。同日午前には国内で3人目の死者が名古屋市で確認された。舛添厚労相は「重症化防止の取り組みも強化したい」と強調した。(日本経済新聞のサイトより)
上記のニュースで不思議なのは、どうして今の時期にこうした発表がされるのか、という点だ。新型インフルエンザは既に春先より話題になっていて、マスクなどが薬局から売り切れたことなど、まだ記憶に新しい。
国内で3人目の死者が出た、というのが理由だろうけれど、今は衆議院選挙の真っ最中で、この時期に選挙以外の話題を提供するためではないかと勘ぐりたくなる。自民党劣勢が伝えられる中、投票率を如何にして下げ、無党派層を選挙から遠ざけ、民主党よりに吹く風を抑えるか、というのが政権与党の作戦ではないか、という訳だ。
なぜなら、春先よりずっとインフルエンザウイルスは国内に蔓延っていて、今ここで発表することに必然がないからである。先週でもよかったし、来週でもかまわない。先月だってよかったのだ。それがどうして今なのか。
考えすぎだ、と言うだろう。僕もそう思う。では、このところ新聞テレビ週刊誌を賑わしている酒井法子の報道はどうなのか。
夫が覚醒剤所持で逮捕され、その場に携帯電話で呼び出された酒井法子が、任意出頭に応じず約1週間ほど追跡をかわしながら逃亡したという。酒井法子にも覚醒剤の使用疑惑があり、昨日頭髪検査で使用の痕跡が認められた。
人気アイドルが起こした事件で世間の注目を浴びるのは分かるけれど、あまりにも騒ぎすぎである。そしてこの過熱した報道の裏で、同じく人気芸能人であった押尾学が起こした事件はあまり報道されることがない。
押尾学の事件は、実際に人が死んでいるわけだが、噂によると、押尾と被害者がLSDを服用していた部屋には、元総理や与党大物政治家の息子などや、さらには警察関係者までも出入りしていたという。つまり高級売春クラブ、或いは麻薬等を楽しむことを目的としていたというのである。
その政界や警察官僚ルートの疑惑を揉み消すために、以前から目をつけていた酒井法子の夫を逮捕し酒井法子は逃走するにまかせておいた。そうすれば世間の話題は押尾から酒井に向けられるだろうという読みである。
これらは勿論噂であって、何か確証があるわけではないのだが、まともなジャーナリストのまともな記事に上記内容が書かれていたり、ネットで評判のある幾つものサイトでも、執拗にこの噂がどうやら真実らしいと書かれている。
どこまで信じていいものなのか眉唾ではあるけれど、衆議院選挙中に起こったことであり、理論の整合性という点では破綻がない。つるりと飲み込んでしまえる話なのである。
結局のところ、新型インフルエンザに対する日本政府の対応は諸外国に大きく遅れていて、諸外国が既に準備しているワクチンなどいまだに十分な数が用意されておらず、これは厚生労働省並びに麻生政権の落ち度と言われても仕方ないことだろう。何せ、この冬には大流行すると自らが言っていたのだ。
酒井法子はただの頭の悪いアイドルの転落物語で、実は取るに足らない話である。また押尾学の事件に関しては、被害者となった女性の遺体は既に荼毘に付されたようで、遺体そのものが存在せず、今更新しい事実や証拠は出てこない模様である。死因に疑いのある遺体は、警察以外の第三者機関で再度解剖するべきなのだが、誰かが荼毘を急がせたのか、或いは遺族が再解剖を忍びないと思ったのか、どちらにせよ遺体という雄弁な証拠がないのであればこの事件に新たな発展は期待できないだろう。
春先に全く意味のない空港での検疫を行うなど、くだらないパフォーマンスに明け暮れた舛添大臣が、再度パフォーマンスを始めて注目を集め、酒井法子の拘留期限は延長され、今後も少しずつ取り調べ内容がリークされることだろう。
その裏側で衆議院選挙と押尾学事件が静かに進行し、それほど選挙に興味のない層がますます選挙に興味をなくしていくことになる。狐につままれたような夏である。