民主党がマニュフェストを発表し、新聞各紙が一斉に財源にいちゃもんをつけ始めた

昨日、民主党は次期政権公約マニュフェストを発表した。下記リンク先よりPDFになったものをダウンロードすることが出来る。

民主党 マニュフェスト2009

これに新聞各紙が、財源についてあやふやだと疑問を呈し始めた。最近のマスコミは知恵がついてきたようで、WEB版の紙面では表だって攻撃せず、各家庭に配られる実際の紙面で辛辣に民主党のマニュフェストを攻撃している。こうするとブログなどで書こうとしても記事にリンクできないので、ネットでは広まらず(ネットでは記事の信憑性はソースをリンクすることで担保している)、新聞を読んだ人にだけ民主党は無責任であると洗脳しようとしているかのようである。

マァ、これは考えすぎで、マスコミ各社の頭の固い、いまだに19世紀のスタイルで物事を推し進めようとしている上層部が、そこまで知恵が回るはずもないから、何かの偶然なのだろう。

最近、麻生太郎首相始め自民党幹部連中は、ことあるごとに民主党の政策は財源の裏打ちがないと発言している。そしてそれを有り難そうにマスコミは報道する。このように財源をつつくことが自民党の戦略であると考えているのだろう。

ところが、ここに彼らの甘さがあって、民主党の財源以前に、自公政権の財源の方が疑わしいと誰もが思っているわけである。民主党の財源はこれから始まる話であるが、自公政権の財源というのは借金という形で既に存在する取り返しのつかないものなのである。

日本の借金は既に1000兆円を超えたと言われていて、1000兆円という金額の巨大さもさることながら、約1000兆円と何やら曖昧に言っていること自体が既に疑わしいのである。銀行でローンを組んだり組もうとした人なら分かるだろうけれど、自分のものでないお金というものはその存在が非常にはっきりとしている。契約書が存在し、利率があり、元本がある。そうしたものを眺めてみれば、末端の1円に至まで明らかである。

ところが国の借金に至っては、ある人は800兆円だといい、1000兆円を超えたと言い、もっとあると言う人もいる。これは実際のお金が存在しないからではなく、お金の流れを把握する者がいないのか、隠されているのかどちらかである。お金は国民からの血税で賄われているのであり、それを預かり運用する者が無責任であるということである。

言葉を換えると、これは国民に対する背信行為と言えるだろう。日本政府は日本国民を欺いている。そしてそのことに日本人は自覚するようになってきている。それが今日の状況である。

ネットでAERAの記事の一部を読むことが出来るのだが、民主党は2013年度までの4年間に段階的に確保するという17兆円の財源に対して内訳をこう説明している。

○むだ遣い削減  9・1兆円
埋蔵金活用   4・5兆円
○政府資産の売却 0・7兆円
所得税控除の見直しなど税制改正 2・7兆円

自公政権にしても、マスコミにしても、民主党の財源についてはマニュフェストに説明されているわけであるから、疑問があるなら具体的に質問をするべきである。「財源が不明であり無責任だ」と言っているだけでは誹謗中傷でしかない。「民主党は説明をするべきだ」というのはさらに無責任である。何故ならばマニュフェストで説明されているからである。まずはマニュフェストを読め、と民主党は返してやればよいだろう。まるで小学生に質問の仕方を教えているようである。

特にマスコミが情けない。財源が不明で無責任で説明不足だ、と感じたのなら取材をするべきである。取材もせず、マニュフェストを読みもせず、自民公明党と一緒になってただただ文句をたれている。少なくともマスコミは民主党のマニュフェストを読み砕いて分かりやすく説明する義務を負っているのだが、その責任すら放棄している。

いくら押し紙問題を自公政権に握られているからといって、いくら広告収入が減った分を官房機密費で埋め合わせてもらっているからといって、露骨に自公政権への忠犬ポチぶりを発揮するのは自らの首を絞めるだけである。マスコミはもはや自公政権の娼婦となってしまったのは仕方ないが、体は売っても心は売らないで欲しいと思う。