朝鮮半島有事の際、沖縄米軍基地は北朝鮮の標的になることを忘れてはならない

いよいよ明日、11月28日に沖縄県知事選挙の投票が行われる。
現職の仲井真氏と宜野湾市長を辞してこの選挙に挑む伊波氏の一騎打ちになるといわれていて、あちらこちらから漏れ伝わる支持率調査でも両者の拮抗が表れているようだ。

今回の知事選挙では、米軍基地問題、特に普天間基地移設問題が焦点となっている。どちらの候補も普天間基地の返還を唱えているのだが、仲井真氏は原則返還で今後の交渉に含みをもたせているのに対し、伊波氏は断固返還を公約としているところが違いとなる。

この二人の政策骨子の違いは以下のブログに詳しい。
沖縄県知事選挙における二人の候補の政策骨子をみる (なごなく雑記)

鳩山前首相が元々拘っていた普天間基地の返還問題は、なにやらハッキリとは説明されない理由によって暗礁に乗り上げて頓挫し、日米合意に基づく辺野古への移転が鳩山後の民主党政権のスタンスになってしまった。今回の沖縄知事選挙で仲井真氏が再選されると日米合意を踏襲する可能性が高まるが、伊波氏が当選すると日米合意そのものが破綻することになり、民主党政権の対米偏重路線はピンチとなる。

そのせいだろうと思われるが、民主党の国会議員は伊波候補への応援運動は岡田幹事長によって一切禁止されている。しかしそれでも川内博史氏や有田芳生氏などの国会議員はブログやツイッターなどで支持を表明している。

沖縄県民が、明日どのような投票行動を行うのか予想する人も多いが、夏の民主代表選に於ける疑惑の投票結果や、24日の名古屋市議会リコール署名の無効評決などを見ても、今この国の選挙が不正もなく誠実に運営されているとはとても思えない状況であり、その中でも天王山とも言える今回の沖縄県知事選挙で何事もなく伊波氏が勝利するとはとても想像できないのである。明日の投票では起こり得ることは何でも起こり得るのだと腹を括った方がよいだろうと思う。少なくても僕は伊波氏に是非勝って欲しいがそれは簡単ではないと思っている。

さて、そんな知事選挙たけなわの24日、北朝鮮が韓国領延坪島に砲撃を行い民間人を含む死傷者を出す事件が起こった。これは米韓軍事演習が南北朝鮮の国境付近で行われたことに北朝鮮が反応したもののようで、その後も北朝鮮からの砲撃は行われているようで緊張が高まっている。

一部識者は朝鮮半島での緊張が高まったり、先日の尖閣諸島沖での中国漁船船長拿捕問題などが起こったりすると、沖縄駐留米軍による戦争抑止効果への期待が高まり沖縄米軍基地を容認する流れが出来るだろうという。しかしこのような識者といわれる連中の言うことは常に物事の一面しか捕らえないもので、本当に朝鮮半島有事となると米軍基地のある沖縄は日本国内で最も重要な戦略拠点となり、それは北朝鮮側から見ると最大の攻撃目標となることを忘れてはならない。

過去の朝鮮戦争の時も沖縄は南への戦略的補給基地として、兵隊も武器も食糧も補給する前線基地として機能した。当時の北朝鮮は韓国を飛び越えて沖縄を攻撃する武器を持たなかったのだが、今はミサイル兵器をもっている。北朝鮮が何度も日本海や日本を飛び越えるようなミサイル実験を成功させていることからも明らかなように、沖縄をミサイル攻撃することは技術的に十分可能なのである。

しかもミサイルに核弾頭を積めば、たった一基のミサイル着弾で事足りる。勿論そのような攻撃を行えば北朝鮮は徹底的な反撃に遭い、この星から抹消されてしまうことになるだろう。しかしそれを厭わないほど追い込まれた国家が北朝鮮でもある。

米軍基地をもつということは常にそうした危険と隣り合わせで生きるということだ。レイプ被害が横行し、幼児に暴行が加えられ、ひき逃げにあい、基地の爆音で気が変になるまで追い込まれた挙げ句、空からはヘリコプターが墜ちてくる。そして今や核兵器の恐怖にも怯えなければならない。そんな現状を肯定し、そんな未来を子孫に残そうとすることが沖縄県民の幸福なのかどうか疑問に感じている。何せ既に米軍基地関連による県民雇用も嘗てないほど低いレベルにあるといわれているので尚更である。

明日の知事選で沖縄の人々がどのような思いで投票所に赴くのか、本土に住む僕たちには本当のところは分からない。しかしもはや民主党政権が当てにならない現状で、投票によって米軍基地を否定し新しい社会を沖縄にもたらすことは、現状を打破し希望を生むきっかけになるものと信じる。そしてその希望は沖縄のみならず、日本全体を変えるきっかけになるはずである。

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