自民党は来年の参議院選挙に向けて仕切り直せ

時系列を逆にして最近起こった事件を列挙してみよう。

明日25日発売の週刊文春の特集記事で、民主党議員スキャンダルが載る。石井一参議院議員の郵便不正スキャンダルと、もう一つ誰かわからないけれどセックススキャンダルだという。同じく明日発売の週刊新潮では、鳩山由紀夫民主党代表の政治資金スキャンダルである。

今日24日、与謝野馨財務相渡辺喜美行政改革担当相らに、「オリエント貿易」が商品先物取引会社の企業グループで設立した複数の政治団体を通じ迂回(うかい)献金した疑惑が発覚した。小沢一郎民主党党首の公設秘書が逮捕起訴されたのと同じような疑惑であるが、与謝野財務省は金融大臣をも兼ねている期間にダミー献金を受けていたわけであり、監督責任者であるが故に余計罪は重い。しかし東京地検特捜部が動く気配はない。

昨日23日、自民党の古賀選挙対策委員長が宮崎県知事の東国原英夫氏を訪ね、次期衆議院選挙に自民党からの出馬を要請した。すると東国原氏は全国知事会の要望を自民党のマニュフェストに入れ、自身を自民党総裁にするよう要請するともとれる発言をした。

同じく昨日、西松建設は元大阪高検検事長の逢坂貞夫弁護士を5月15日付で法律顧問に迎え入れたことがわかった株主総会を経て、社外取締役に就く予定である。

余りに政局が馬鹿馬鹿しくてブログを更新する気にもならなかった今日この頃であるが、馬鹿馬鹿しさは日を追うごとに酷くなっているようだ。今、永田町や霞ヶ関で起こっていることは3流の喜劇である。よい子は宿題をしてさっさと寝た方がいい。

週刊誌が暴く政治ゴシップはとっくに国民が飽きてしまったものだ。考えてみるがいい。春先に小沢一郎民主党代表の公設秘書が逮捕起訴されてから、毎日のように政治家の疑惑が新聞雑誌テレビに溢れている。テレビの政治ワイドショー番組はこの雑誌記事をネタに本業だけでは食い詰める政治評論家達を使ってスポンサーの自公政府に都合のいい話をさせるのだろう。

その結果国民は食傷気味である。もはやこんな話なんぞ聞く気にもならない。新聞が購読者を減らし、週刊誌の部数も減り、テレビの視聴率が落ちていくのは、彼らが真面目に報道をしていないことに国民が気付いてしまったからなのだ。報道メディアとは広告チラシのようなもので、広告のあいまに政府公報が少しある程度のものでしかないと、日本人は気付いてしまったのである。

オリエント貿易」の迂回献金疑惑では、特捜部がどのように動くのかが注目される。というか、報道される以前に動いていないということは、もう逮捕も何もないのだろうけれど、そうであれば小沢元民主党代表公設秘書逮捕に対して整合性がとれない訳であり、東京地検特捜部には説明責任が要求される。この事件に於いてポイントはこの一点である。もう引退するだけの政治家や、時流を見誤って自民党を離党した上げ潮派の政治家のことなどどうでもよい。

そして昨日からやたらメディアを騒がせているそのまんま東こと東国原氏の発言であるが、特に自民党総裁の地位を要求したとされる部分に於いて、ジョークであるとか、自民党は変わらなければならないというメッセージであるとか、巷間言われているようだ。

馬鹿馬鹿しい。彼は昔は売春事件を起こし逮捕され、出版社に他のお笑い仲間と乗り込んで暴力を振るった過去があるかも知れないが、今や何を間違ったか知事閣下であり、何の業績もないけれど立派に政治家の身分なのである。それがテレビカメラの前で堂々と発言したのだ。政治家は発言が命である。言葉の仕事なのだ。だから彼は世界に名だたる日本の政権政党の総裁に相応しいと自分で言っているわけである。

自民党は日本のために何かしようという気がまだあるのなら、今から一生懸命政策を勉強し、来年の参議院議員選挙に備えるべきである。民主党がこの数年、どれほど政策勉強会を開いてきたか知らぬ訳ではあるまい。今の政権は自民党政権ではなく官僚政権であり、官僚に全てを丸投げしていた自民党の議員達は、民主党を追い越そうとするのなら、民主党の2倍は勉強せねばならない。そしてそれだけが自民党が官僚から政権を奪い復帰できる近道なのである。

この数日に起こったこれらのことに対する感想は、いよいよ政権交代が行われるのだろうなという感慨である。世間が浮き足立っている。その一方、総理大臣はのんびりと昼寝をし読書をして夜は飲酒する。革命前夜というのはこういうものなのだろう。