鳩山由紀夫の言う定住外国人参政権問題

先日ニコニコ動画というインターネット上の動画サイトに民主党幹事長の鳩山由紀夫が出演し、視聴者からの質問に答えるという企画があった。その中に「外国人参政権を認めるのか?」という質問があり、鳩山由紀夫は「永住外国人参政権を認める度量の大きさを日本人は示すべきだ」と述べた。

これがこの時ネットを見ていた人々の気には入らなかったようで、その発言以降散々な悪態が寄せられ、所謂炎上状態に陥ったという。ネット視聴者のナショナリズムを煽ってしまったのだろう。

真っ先にここで気がつくべきは言葉の行き違いだと思う。鳩山由紀夫は「永住外国人」と述べているのだが、ネット視聴者たちには「すべての日本在住外国人」と理解したようだ。前者はそこに住み仕事をし家族を養い税金を払っている外国人であり、後者は何らかの公的或いは個人的事情で日本に住んでいる広義の在住外国人である。

僕は永住外国人が合法的に定住しているのであれば、その国の医療保険や年金などへの加入は認められるべきだと思うし、参政権も認めてもいいかな、という意見に与する。何せ永住なのである。彼らはずっと日本に住み続け、それが法律的に認められているという人々である。

ただし参政権に関しては国民の見えるところで議論を重ね、その結果を国民に問うてほしく思う。要するに直接選挙によって決めて欲しい。

なぜ永住外国人参政権を認めてもいいかなと思うのかと言えば、それは人権問題だからである。ナショナリズムの問題ではない。鳩山由紀夫という人は育ちがいいせいか、こうした問題をネット視聴者に上手く伝える術を知らない。いきなり友愛の精神だの度量の大きさなどといった言葉を述べるのである。それでは誤解を受けるだろう。正直言ってそれらの言葉がニコニコ動画を見る層に伝わるとは思えない。人権問題であり社会的弱者の問題なのだと説明した方が良かったと思う。

また僕が永住外国人参政権問題は国民の見えるところで議論を重ね、選挙によって国民に問うべきだ、というのは、これが極めて微妙な問題をはらんでいるからである。日本に於ける永住外国人というのは中国人と朝鮮人が主であり、彼らの母国は日本を敵対国と見なし幼児のうちから反日教育しているような国家である。彼らが反日政党に投票し議席を得る可能性は否定できないのである。

特に韓国は2012年より在日韓国人にも韓国の国政選挙投票権を与えることになっているという。その際在日韓国人は韓国と日本の二カ国に投票できる。彼らが韓国で反日政治家に投票し返す刀で日本の反日活動家に投票するのは日本人にとって一種の悪夢である。

社会的弱者の人権問題と多くの国民にとって悪夢のような選挙結果という矛盾した問題を解決するのが政治であり、これは極めて現実的なジャッジメントが必要なのだ。この現実的なジャッジメントが下手くそでどうしようもないのが日本の政治なのだが。

今回の鳩山由紀夫発言で良かったと思うのは、その後のインタビューに於いても発言がぶれなかったことである。ぶれなかったことによりこの問題はすぐに沈静化するだろう。ぶれたら火に油を注ぐ結果になっただろう。