次回衆議院議員総選挙勝敗の基準値

前回の衆議院議員総選挙は所謂郵政選挙と呼ばれるもので、小泉首相(当時)が参議院で否決された郵政民営化案をもう一度国民の信を問うとか言って解散し行われた選挙だった。その結果自民単独で300議席を超すという神風が吹き、その後自公政権衆議院での暴走を許し、従米隷属国家日本の方向性を盤石にする結果となった。

その時の衆議院議員総選挙は第44回目の衆議院議員総選挙投票率は67.51%。2005年9月11日に行われた。9月11日というとニューヨークの貿易センタービルに旅客機が突っ込み倒壊したのが2001年の同日であり、世界陰謀論者達による小泉自民党とパパブッシュ一派の陰の繋がりを指摘する論調などもあって賑やかなのだが、兎にも角にも覚えやすい日である。

その時の総選挙で選ばれた衆議院議員達の任期が今年の同日で切れる。つまり今年の9月11日までに麻生首相衆議院議員総選挙を行わなければならない。その時期が何時になるのか、また予想獲得議席はどのようになるのか、週刊誌などを中心として特集が何度も組まれている。

選挙日予想は5月、7月、9月の任期切れという3種類の予想がある。9月任期切れというのは日本の憲政史上、任期切れ解散は一度しかなく、常識的に見て可能性は少なく思うのだが、自信家の麻生首相のことであるからひょっとしてと言う可能性がある。現在民主党が小沢秘書逮捕事件による極めて悪質な風説の流府によって弱っている状態なので、早い段階の5月という可能性が高いかも知れない。

そして予想議席数なのだが、その予想自体は週刊誌がまた特集を組むだろうからそれを見ればよいとして、その勝敗ラインについて大事なことを書いておきたい。

衆議院の定数は480であり、過半数は240となる。自公政権は合わせて241を取れれば勝利と呼ぶだろう。そして現状の世論調査などを見るとその数値は予断を許さない状況になっているという。ちょっと以前までは民主党が優位だったのだが、いつの間にか巻き返されてしまった。

しかし、参議院民主党とその会派は過半数を持っていることを忘れてはならない。これはどういうことかというと、衆議院で出された法案が参議院で否決されることを考えなければならないのである。次の選挙で自公政権が勝っても、その政権の出す法案は小さなものから予算案のような大事なものまで悉く否決される可能性がある。

その際、衆議院参議院で否決されても、もう一度衆議院に差し戻し、3分の2以上の賛成があれば強引に可決することが出来る。つまり、衆議院では3分の2の議席が自公による政権運営には必要なのである。480議席の3分の2とは317議席(316.8)である。現在自民党が303議席公明党が31議席、合計334議席あるのだが、このレベルを次回も維持しないと自公政権政権運営がすぐに行き詰まってしまう。つまり、次回衆議院議員総選挙に於ける自公政権の勝敗ラインは241議席ではなく、317議席なのだ。

もちろんその議席を確保するために自民党国民新党平沼グループ、そして前原民主党前党首一派などを取り込もうと工作を続けるだろう。しかし、それでも317議席というハードルは高い。自公政権は選挙で過半数をとって総理を選び組閣しても、予算案はおろか何も決められないというわけで、これは分裂あるいはすぐにまた解散総選挙となる可能性が高いわけだ。つまり、現状では圧倒的に民主党とその会派が優位なのである。

このブログでは何度も自民党は既に死んでいると書いてきた。その根拠のひとつがこの事実である。民主党は自信を持って選挙を戦うべきだと思う。何も卑屈になるべきではない。選挙結果を恐れる必要もない。