民主党は年金カードをきれ

1950年代に心理学者のソロモン・アッシュが行った実験がある。

例えば、Aのカードに5センチの線を引く。Bのカードには3センチの線を引く。これを被験者に一枚ずつ見せる。
「AのカードとBのカードの線は同じ長さでしたか?」
すると誰もが「Aのカードの線の方が長かった」と答える。

さて、この被験者を大人数のサクラの中に入れる。サクラとなった人たちはわざと違った結果を答える。
「AもBも同じ長さだった」
全問題中3分の2ほど、間違った答をわざと述べさせるのである。

すると先ほどまで自信を持って答えていた被験者は動揺を始め、自分の答えに自信をなくす。遂にはサクラの間違った答えに同調し始める。

この実験では約3分の1ほどの被験者は、サクラの意見に同調し、明らかに間違った答を述べてしまうのである。

この同調してしまった被験者は、いわゆるB層と呼ばれる人々である。彼らの割合が33パーセントほどであることも何かの調査にあったように思う。

今、根拠のない中傷報道に晒されて小沢民主党の支持率が少しずつ落ちてきているという。それはほとんどB層と呼ばれる人々が離れたせいであろう。彼らは自分で考えることをせず、テレビのワイドショー化したニュース番組が垂れ流す政府側の情報を鵜呑みにする人々である。

民主党が次の衆議院選挙で過半数をとりたければ、彼らを取り戻すのが手っ取り早い。彼らが踊る歌を歌えばそれでよいと思う。今まで民主党の活動の何が一番彼らに受けたのか。答は明白である。年金問題、に尽きるだろう。

幸か不幸か、自民党年金問題を上手く処理できていない。厚生年金基金の不透明な使い道はまだその全てが暴かれていないし、不正を働いた職員は桝添厚生労働大臣が「塀の中に入ってもらう」と気色ばんだにも関わらず、今もお天道様の下を大手を振って歩いている。また今後の年金運営は今もって不透明なままだ。

B層の人々は、こうした自分のお金に関しては敏感である。また年金問題B層に限らず、国民誰もが注目する問題である。しかも年金を使った官僚の無駄遣いの例は数え切れないほどあり、自民党がそれらを罰した形跡は皆無である。

民主党政権は官僚の天下りを厳しく制限する公約を持っている。それらをしっかりと落ち着いて知らしめるのが何よりの選挙活動だろ思う。

どうせ自民党は既に死んだも同然なのである。今回の東京地検特捜部の暴走と、マスゴミの大衆煽動が一時の風を起こしたが、郵政民営化選挙の時とは違い、選挙までにはまだ少し時間があるのだ。ここからどれほど盛り返せるかで民主党マチュアが問われる。

逆に言うと、ここで盛り返せないようでは、まだまだ政権交代など遠い夢だと思う。麻生首相が漢字を読めないとマスゴミに叩かれたことを見れば分かるように、一旦政権を取ったらさらに厳しい逆風が吹くのだ。今粘り腰を鍛えておくことは今後を鑑みていい経験になるだろうと思う。