結局のところ、菅直人の末路は惨めなものとなるだろう

小沢一郎に近いとされる民主党衆議院議員16名が会派離脱届けを出して別会派を作ろうとし、松木謙公農林水産大臣政務官民主党執行部の党運営に反発し辞任、そして前原外務大臣が外国籍を持つ人物から献金を受けたとして辞任、さらには政倫審議長の民主党土肥議員が竹島の領有権放棄を求める宣言に署名していたことが発覚と、ここのところ菅政権の弱体化を印象づける事件が連続して発生している。

一方で原口前総務大臣は維新の会というグループを独自に立ち上げ、大阪の橋下知事や名古屋の河村市長などと連携することを発表した。また米国務省のメア元日本部長が沖縄を侮辱する発言を学生に対して行っていたことも発覚し、ルース駐日大使が急遽沖縄入りし知事に謝罪するという一幕もあった。

ほんの少しブログの更新を休んでいた期間*1だけで、これだけのことが起こっている。まともな神経を持った総理大臣なら現状の内閣の危機管理能力では政権運営などとても出来ない、と諦めるところだろう。しかし菅直人はまともではないのであと2年間衆議院議員の任期いっぱいまで総理大臣を続けるつもりでいるようだ。マスゴミが下駄を履かせた支持率は遂に20%を切るところまで落ちているので、この数字も今後どうのような動きを見せるのか期待したいところである。

こうした連続した動きで気になるのは、やはり前原と土肥という二人の菅側近の辞任だろうと思う。前原に関しては小沢一郎を敵視し検察やマスゴミと一緒になって「政治と金」問題で騒いでいた従米隷属派議員の筆頭であり、土肥という人は衆議院政治倫理審査会議長として身内の民主党議員からも批判を浴びながら小沢処分を押し通した議員であって、平野貞夫によって神戸の牧師はCIAだと暴露されていた人である。

彼ら二人は世間から非難を浴びてそれぞれの役職を辞任せざるをえない局面に追い込まれたのだが、前原の場合は政治資金規正法に抵触し最悪(最善?)の場合公民権停止で議員失職となる可能性があり、土肥の場合も問題が竹島問題であるわけで急いで記者会見等を開き弁明に大わらわだったがますます印象だけは悪くなっている感もあり、このままでは党除名か議員辞職にまで追い込まれる可能性もある。

一方でメア元日本部長の侮辱発言は昨年12月にペンタゴン内で学生に向けて講義した内容が今頃流出したようで、共同通信の記者が調べた特ダネということになっている。

それにしてもここにきて従米隷属派議員の失脚が相次ぎ、そしてペンタゴン内での講義内容が日本の記者によって暴かれるという本来あり得ない事態が起こることは一体どう説明されるのだろう。明らかに政局の潮目が変わってきているのではないだろうかと思える。

もしその潮目の変わり目というものが本当にあれば、それは多分2月中旬の頃ではないかと考えるのである。

国民新党亀井静香代表、東京都の石原慎太郎知事、自民党古賀誠元幹事長が14日夜、東京都内の日本料理屋で会談した。野中広務自民党幹事長も同席した。亀井氏が提唱している在野や各党の人材を閣僚に起用する「救国内閣」について意見交換したとみられる。亀井氏は会談後、記者団に対し「日本をどうするのかという話だ」と語った。
一方、民主党鳩山由紀夫前首相は同日夜、都内で渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長と会談。渡辺氏は「党派を超えて協力すべきだ」と語ったという。

民主党は14日の役員会で、強制起訴された小沢一郎元代表の党員資格を判決確定まで停止する処分を15日の常任幹事会に提起することを決めた。事実上の「無期限停止」で親小沢派は強く反発。役員会の提起通り処分を決定できるかどうかが焦点だ。
菅直人首相は「民主党としてのひとつのけじめだ」と首相官邸で記者団に語った。
党員資格停止は、除籍、離党勧告に次ぐ最も軽い処分だが、停止中は代表選に立候補ができず、投票権もない。党岩手県第4区総支部支部長資格も停止され、企業団体献金の受け皿を失う。一方で国会での採決では、党の決定に従わなくてはならず、党費の支払い義務も残る。
岡田克也幹事長は役員会で処分理由について、小沢氏本人が起訴された▽小沢氏の資金管理団体をめぐる事件で元秘書3人が起訴された▽執行部が求めた衆院政治倫理審査会での説明に小沢氏が応じていない――と説明。停止期間は党の指針で最長6カ月が原則だが、今回は一般公務員が起訴された場合の「起訴休職」に準じて判決確定までとした。裁判は長期化することも予想され、事実上、無期限停止に近い効力を持つ。
役員会では、メンバー15人のうち、輿石東参院議員会長、平田健二参院幹事長、羽田雄一郎参院国会対策委員長の3人が反対したが、それ以外に異論はなく、提案通りに了承された。執行部は15日の常任幹事会で発議し、党倫理委員会の意見を聴いたうえで、最終決定する考えだ。
だが、小沢氏に近い常任幹事会メンバーは猛反発している。菅政権は予算関連法案が参院で否決されても衆院の3分の2で再可決・成立させることを目指しているが、親小沢勢力の一部が造反すれば3分の2に達しないため、執行部内には停止期間を6カ月程度に縮めて理解を得る案もある。また、小沢氏が不服を申し立てれば、常任幹事会で改めて審査が必要なため、処分の最終決定は遅れる。

「ちょっとした違いを取り立てて、追及して総括して殺していく。今の民主党を見ていると連合赤軍を思い出す」。国民新党亀井静香代表は16日の記者会見で、強制起訴された小沢一郎民主党元代表の処分手続きを進める同党執行部をこう皮肉った。
亀井氏は、菅政権が2011年度予算関連法案を成立させるため、衆院での再可決を模索していることに関し、「政治の基本をわきまえて民主党が進まないと、大変な事態に立ち至る危険性がある」と指摘。同党内の小沢系議員から採決で造反者が出て、再可決できなくなる可能性に言及した。

国民新党亀井静香代表はこの時期に動きを活発化させていた。「亀井静香がCIAに暗殺でもされないかぎり、アメリカに従属することはない」と自分自身で言っていたような政治家である。現状の菅政権の執る政策が尽く従米路線で、与党協力会派として業を煮やしていただろうことは簡単に想像できる。亀井自身も政界の寝業師として水面下で動くことは得意であり、機密情報の取り扱いも元警察官僚でもあり慣れている。

だからといって亀井が全て仕組んだなどと言うつもりはまるでないのだが、しかし次々と菅側近の従米派が失脚していく様を偶然と片付けるのも軽率であろう。何せメア元日本部長の講義まで暴露されているのだ。今水面下では、従米派とは違う別のインテリジェンスが動いているとみた方が正解に近いのではないかという気がするのである。

このインテリジェンスの目的は何かというと、現状の民主党政権の舵の修正であって巷間噂されている小沢新党など民主党の分解ではないだろう。何故ならば、こうした動きの中心にいるはずの小沢一郎が、今回は民主党を見捨てようとはしていないことが挙げられる。小沢一郎としては一から新しい政党を立ち上げるよりも民主党を建て直した方が時間的にも政策的にもリーズナブルだという判断がある。

つまり民主党内で小泉=竹中時代の従米隷属路線を踏襲している現在の執行部の数名を上手くパージできれば、まだ民主党を建て直せるという目算があるのだろう。確かに民主党内には日和見主義のバカ議員も多いけれど、それは正しい判断だと思われる。

菅首相は支持率が1%になっても総理を辞めないだろうと言われているとおり、前原が外務大臣を辞任した翌朝もスッキリとした顔で国会に臨んでいた。TBSラジオ武田一顕記者によると次期首相の呼び声も高い前原が失脚したことで嬉しそうに見えるほど、だったという。

このブログエントリーで推理した従米隷属派と相対するインテリジェンスが本当に存在し、現在仕掛けを行っているとすると、菅首相が居座れば居座るほどに側近の失脚が相次ぐことだろう。また米国の新自由主義派も前原などには相当の投資をしていたはずであり、そうした投資が無に帰するのを避けるため何らかのアクションを起こすことが考えられる。それがこのインテリジェンスと迎合するものなのか敵対するものなのか現状では分からない。しかし、メア元日本部長の件で煮え湯を飲まされた米国がそう簡単にその犯人を許すとは思えない。きっと今後は両者の間で犠牲者がまだまだ出るのではないだろうか。

アメリカにとって大変なことに、ドルが春先から夏頃にかけて再暴落しそうな気配が濃厚で、その際には米国経済は悲劇的な結末を迎えることになる。それゆえ複雑な諜報戦にかけられる時間は限られている。これは逆に言うと、日本にとっては千載一遇のチャンスが舞い込むことを意味する。そのチャンスを生かせれば日本は再び世界の檜舞台に登壇することになるだろう。そしてそれを可能に出来るリーダーは菅直人ではないはずである。

菅直人が総理大臣の椅子にしがみつけばしがみつくほどその末路は惨めなものとなる。次々と側近は失脚する一方、振り切れんばかりに尻尾を振って米国にしがみついている現状が段々と知れ渡る。大人しい日本国民も消費税増税論やTPPの真実などを知ったら許しはしないだろう。

取り敢えずこれから1〜2ヶ月は菅政権のというよりも、政権交代の正念場となるだろう。ここを上手く乗り越えることが出来れば、2009年の政権交代は多少もたつきながらも前進したことになるし、一方で負けてしまえば暗い未来が待っているだけであるが。

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