民主党代表選挙は国会議員票が全てを決める

現在行われている民主党代表選の、菅ー小沢各候補に対する支持率が滅茶苦茶なことになっている。

新聞やテレビなどの既存マスメディアは菅70%、小沢20%くらいの支持率。一方でネットで投票を行うとそれはそのまま逆転してしまう。

ここまで結果が乖離してしまうとどちらの数字も当てにはならないと思う。

肝心なことは、どちらの調査結果も、今度の代表戦の有権者に対して行った結果ではないということである。

民主党の代表選挙は党員とサポーター票、地方議員票、そして国会議員票の3通りがあり、それぞれ票数の数え方が違う。国会議員は一人2ポイント、地方議員は全部併せて100ポイント、党員とサポーターも全部併せて300ポイントが割り振られる。国会議員は衆議院308名、参議院106名の合計414名で828ポイントとなる。つまり代表選挙の合計ポイントは1,228ポイントとなり過半数ラインは614ポイントである。本当はここに国政選挙の党公認予定候補者が有権者となった場合1ポイントが割り振られるのだが、これが何票あるのかはっきりとはわからない。

この投票のやり方をよく見ると、党員とサポーター票という、所謂一般市民レベルに最も近い人達の票は全体の約25%にすぎず、マスメディアの言うとおり小沢の支持率が20%だったら、党員とサポーター票25%のうち20%が菅票で5%が小沢票に割り振られる。その差の15%は国会議員票にすると約90人分のポイントに相当する。

地方議員票も含めると、ざっくりとした計算なので割り引いて考えて欲しいのだが、小沢陣営は菅陣営より100〜120人分多くの国会議員票が必要になるだろうと思う。つまり約400名の国会議員のうち約250人を小沢側が取れば小沢が勝つ可能性が高くなるのではなかろうか。

小沢側にとって楽観的な予測をすると、小沢ー鳩山グループをあわせた約200人いるといわれる国会議員がちゃんと小沢に投票すれば、マスメディアのいう支持率20%であっても、あと約50名程の国会議員票を集めれば当選できる計算になる。

ただしこれは既存マスメディアの支持率調査を鵜呑みにした場合である。

一方ネットメディアの支持率をそのまま当てはめるとこの数字は逆転してしまう。つまり小沢陣営は菅陣営より100人程度の国会議員票を取りこぼしても勝つ可能性が出てくる。この場合は小沢ー鳩山グループの票だけで事足りてしまうことだろう。

勿論こんな大ざっぱな計算では何の参考にもならないだろう。しかしこの計算から無理矢理何かを引き出すとすれば、それは大事なのは国会議員票であり国会議員票が鍵であることがわかる。

マスメディア報道を見てもネットメディア報道を見ても、どちらもこの代表戦に対する判断の決め手を欠いている。マスメディアの支持率調査は希望的観測係数が乗せられている(これを捏造という人も多い)し、ネットメディアでの支持率はその分母がまだまだバラエティに富む意見を有しているようには思えない。新聞や雑誌からではなくネットから情報を得る人々はかなりの割合になってきたが、まだマジョリティではないと思うからである。

だから世論調査の数字は既存マスメディアと新興ネットメディアでは激しく乖離する。この両者は対立していて交わっていない。どちらも当てにすべきではない。

僕自身が感じているのは、菅と小沢は総合的に見ると結構互角の戦いをしているのではないかということだ。昨日の大阪梅田で行われた立会演説会は小沢の圧勝という感をもった。それは候補者の資質だけでなく、集まった聴衆の反応を体験しての感想である。菅と小沢が最初からプレーンな状態でガチンコ対決したならばあらゆる面で小沢圧勝なのは間違いない。

しかし代表選挙はそうではないのである。最終的には国会議員が選択権を持っている。

菅首相はまだ未決定の議員に電話をじゃんじゃんかけているというし、小沢陣営も実はかなりの国会議員票を集めているようだ。集めた国会議員には「口では菅支持ですと言っていてもよい」とまで言っているというから、ますます素人にはわかりにくくなっているし、菅陣営には不気味だろうと思う。

要するに世論だの支持率だのをまともに気にしていると馬鹿を見る。両者ともまだイーブンであり国会議員の動きが全てである。国会議員が最も気にするのは選挙であって、彼らは菅と小沢を天秤にかけていると思う。民主党には自民党の派閥のような強い縛りはない。だから結構自由に考えている議員も多いようだ。

僕の選挙区の馬淵澄夫議員は早々と菅支持を打ち出したが、その後ブログのコメント欄は凄いことになっている。実は馬淵氏がこんな事を言えるのも選挙に強いからである。他の議員はどうかというとみな馬淵氏のようにはいかないだろうと思う。

僕は馬淵氏が元々野田財務相花斉会に属し(今は離れている)、演説などを聴いても小沢一郎に対してはあまり好意的な話をすることはないのでこの決断には驚きはしなかったが、他の国会議員の先生方にはよく考えて投票をして欲しいものである。

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