小沢一郎公設秘書起訴なるか

3月3日に大久保という小沢一郎民主党党首の公設秘書が政治資金規正法違反とか何とかで逮捕されたのだが、その拘留期限が今日なのである。

だから東京地検特捜部は今日中に大久保氏を起訴するのか釈放するのか決めなければならない。昨日新聞報道などで「起訴する模様と関係者が言っていた」、などと例によって訳の分からん記事が載っていたのだが、どうするつもりなのかね、特捜部は。

はっきり言って、今回の特捜部の動きは、特捜部始まって以来最悪の汚点になると思うんだけどね。

元々筋が悪いと言われていた西松建設事件なんだが、よりによって野党党首を狙うというのはあまりにもダーティなやり口過ぎた。野党党首を狙うこと自体国策捜査だと言われても仕方ないというのが国際標準だろう。だから国策捜査でないという実例をばんばん挙げなければならないのだが、元々証拠がなくて大久保秘書の自白だけが頼りなんだからそんなモノがあるわけもなく、無茶をしすぎたと思う。

今回の事件で、一番印象が変わったのが小沢一郎という政治家についてだ。

公設秘書逮捕の翌日、民主党内で記者会見をしたのだが、特捜部を敵に回すことを厭わず、正々堂々と自分の潔白を主張したあたり、男を上げたと思う。

僕としては、今回の件で、小沢一郎という政治家は逆に身綺麗な政治家であるという印象まで持ってしまった。

考えてみれば、小沢一郎自民党に踏み留まっていれば総理総裁に成れた男である。それがどういう訳か利権からほど遠い野党党首に自ら墜ちてしまった。

もちろん、当初は細川政権を樹立し与党でいけると思っていたんだろうけれど、結果はずっと野党のままだった。小渕内閣の時、自由党として閣内協力をしたけれど、あっという間に袂を分かちまた野党に戻った。

利権というのは権力があるから生じるモノで、野党という権力から遠く離れた位置にいると縁がない。だから小沢一郎は巷間言われているほど汚い政治家ではないように思う。

きっと自民党時代、田中角栄金丸信といった政治家の直系と見られていたことがここまで尾を引いているのだろう。小沢一郎は彼らが失脚するのを間近で見ていたからそこ、野党にいることを厭わないようになったんじゃないだろうか。そして、野党として一から政権を作ろうとしているのかも知れない。

つまり小沢一郎は革命家なのである。南米の革命家のように派手なところはなく、極めて合法的に選挙によって革命を起こそうとしている。

だから権力に狙われるんだろうな。

民主党は、たとえ小沢一郎が逮捕されようと、獄中の小沢を首班指名して総理にするくらいの気迫を持って欲しい。野党というモノは戦ってこそ野党である。権力側の横暴にいちいち迎合するなかれ。

見る人は見ているのだ。選挙で負けたってかまわない。筋を通せ。長い目で見ると絶対に有利になる。

田中真紀子は今回の事件で、民主党や日本人のマチュア(成熟度)が試されると言ったが、その通りだ。