それでも人生は続く

1月23日(土曜日)、東京地検特捜部が小沢一郎民主党幹事長を聴取した。その直後に小沢幹事長は聴取を受けたホテル内で記者会見を行った。その内容は一つ前のエントリーにリンクをしてある。

この小沢会見を見直すと、東京地検特捜部がどれほど人権を無視した国策捜査に明け暮れようと、マスゴミ偏向報道を繰り返し世論を誘導しようと、小沢一郎は止まらないんだな、という印象を深くした。

小沢一郎はこの会見では、流石に疲れがあったのか記者の質問に一つ一つゆっくり丁寧に答えようとしている。トンチンカンな質問をした記者を逆に問いつめたり等、いつもの小沢会見とは違ってマイルドな小沢一郎を見ることが出来る。小沢会見ファンとしては物足りないのだが、しかし小沢一郎がここで話す内容にはいつもの小沢節が健在である。

特に印象深い部分はそのビデオの9分30秒あたりから始まる日本テレビの横山という記者の質問とそれに対する答えである。ここで横山記者は4億円についての小沢側の説明の経緯について質問している。「去年までの説明では陸山会の4億円の定期を担保に銀行から金を借りて土地を購入したという説明が、父の遺産に変わり、今日の説明ではまた変わっているのは何故か?」と質問し、それに対して小沢幹事長は「説明を変えた覚えはありません」と前置きし、「個別のことは今まで皆さんに申し上げたことはない。個人資産の中身までを敢えて公表する必要性もなかったと思っているが今日は具体的に(地検に)申し上げた」と答えている。

つまり、小沢幹事長の返事は「4億円の出所について今まで自分側からマスコミに公表したことはなく、マスコミは地検特捜部のリークに踊って誤報をうっていただけで、その誤報に対して自分に責任があるように言われるのは心外である」という内容である。説明をころころ変えているのは地検特捜部なんだからそっちに聞け、関係者リークの裏もとらずにダラダラと報じている方にも責任はあるだろう、と言っているのである。

普段の小沢会見なら激高した小沢が質問者を問いつめるように答えるのだが、この日は聴取の疲れもあったのか大変穏やかで、小沢の受け答え一つ一つを吟味しないとその意味が分かり辛いのである。小沢会見の特徴として、言葉が非常に短く、説明もせずにいきなり結論を出してしまうので、小沢の出した結論がどうしてそうなるのか自分なりに推理しなければならない。前後関係を勉強していない頭の悪い記者は間違った結論を出してしまう。この横山記者のように自分たちの誤報の責任を小沢に求めるという頓珍漢なことになってしまうのである。

斯様にこの会見では地検特捜部が描いた画に沿って質問を繰り返す大手マスゴミの情けなさが目立ったようで、フリーランスのジャーナリスト岩上安身氏が関係者リークについて質問しているのが唯一まともに見えた。勿論岩上氏の質問は大手マスコミの新聞紙面やテレビ放送からはなかったもののように無視されてしまったのだが。

この会見ではもう一つ重要な言葉が小沢幹事長から発せられたのだが、それは「幹事長を辞任する意志はない」との意味を含む言葉である。東京地検特捜部もマスゴミも、とにかく小沢一郎の政治生命を葬りたくて仕方ない訳で、その為にこのような無茶な取調べや出鱈目な報道で押している。しかし小沢幹事長が幹事長職の続投を聴取の直後に明言したということは、今回の聴取では小沢一郎という政治家を失脚させる事は出来なかったわけである。東京地検特捜部としてはこれだけ大々的に聴取を行った挙げ句、小沢幹事長続投となったわけで、この時点でその敗北は決定的である。

そして昨夜、「小沢氏が石川秘書が勝手にやったこと、という調書にサイン」という報道が流れた。もっとマイルドな表現にして欲しいと小沢側からの要望ははねつけられ、このような一方的な表現がとられたらしい。

これは検察側のマスコミ操作の一つであり、逮捕されている石川議員への揺さぶりだとホリエモンこと堀江貴文氏がtwitterで説明している。ホリエモンも特捜部に逮捕され長期間拘留され尋問された経験をもつので言えることだろう。

今フジテレビニュースで小沢氏「石川秘書が勝手にやったこと」という調書にサインという報道。「もっとマイルドな表現にしてほしい」と言ったが検察は了承しなかったとのこと。でもこういうのを拘置所で見せられると石川議員は恐らく「俺は小沢さんに捨てられた」とキレるかも。という思惑で検察は動く

共犯とされる被疑者同士はこうやって精神的に引きちぎられる。鉄の結束も身柄拘束には無力。つまり口裏あわせという罪証隠滅の恐れありで身柄拘束というが、そうではなくこのような微妙な調書表現でお互いを追い込むために身柄拘束しているんだ。

んで、「本当は小沢に報告してんだろ?」とか聞くわけだ。「忘れてたんじゃないのか?」とかね。そして絶望の独房の中で記憶が混乱していく。違う件を報告した時と同時にこの件も報告してることにされちゃったりして、調書にサインさせられたりする。

小沢氏は身柄拘束されていないからまだマシだろうがこれで逮捕されたら小沢秘書軍団の鉄の結束は瓦解するだろう。政治資金規正法違反で小沢氏を起訴しようとすれば、小沢氏が知っていることにするしかないからだ。在宅でも起訴されたら政治生命は終わる可能性は高い。

土曜日に聴取したのもポイント。東京拘置所の取調中の接見は土曜日午前中まで。土曜午後の接見の内容が日曜日のNHKニュースで報道されラジオで聞くことを狙っている。月曜まで独房で孤独。でも日曜も取り調べはある。これが辛い。

とにかく東京地検特捜部はまだ諦めてはいない。何とか罪を作り出して小沢一郎の政治生命を終わらせたい。小沢が終わるか特捜部が終わるかというところまで追い込まれていると見るべきだろう。

そしてマスゴミを使ってひたすら小沢疑惑を煽った挙げ句が昨日の沖縄県名護市長選挙の結果である。ここでも民主推薦の新人候補が自公推薦の現職を破るというお馴染みの結果が繰り返されたのである。

米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題を最大の争点とした沖縄県名護市長選が24日投開票され、県外移設を主張する前市教育長の稲嶺進氏(64)が、条件付きで移設を容認する現職の島袋吉和氏(63)を破り、初当選した。これにより、自公政権が06年に米政府と合意した米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古(へのこ))への移設は困難となった。(毎日ニュース)

昨日は自民党の党大会も開かれたのだが、経団連のお偉方たちは欠席が目立ち、小泉進次郎藤川ゆりなどが目立つだけの大会となってしまったようだ。また既に自民党の政党支持率は一部でみんなの党にさえ抜かれてしまったという統計もある。

去年の総選挙で民主党へと政権を渡した民意は今も健在のようである。東京地検特捜部が小沢一郎をどれだけ追いつめようと、マスゴミクロスメディア禁止法案を無視し続け関係者リークだけを報じ日米同盟の危機などという戯言を繰り返そうと、自民党予算委員会で金権疑惑ばかりを追及しようと、殆どの日本人は身近な暮らしの改善を第一に望んでいるのである。既得権益者の声がいくら大きくても、市井の人々には無関係だし一方で暮らしは楽にならず、逆に彼らのせいで民主党の公約が反故にされるようなことになったらその怒りは既得権益者に向かうことにもなりかねない。

東京地検特捜部もマスゴミ自民党も日に日に追いつめられているのである。

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