中井洽国家公安委員長のスキャンダルには仕掛け人がいる

今日発売された週刊新潮の特集に興味深い政治家スキャンダル記事が載っている。中井洽国家公安委員長が30歳ほど年下の銀座のホステスと路上でキスをしている写真が数枚載っていて、彼らは議員宿舎で密会し、ホステスには議員宿舎のカードキーも貸与していて保安上問題があり、国家公安委員長として如何なものか、という内容である。

この記事の興味深い点は、国家公安委員長と銀座ホステスとの密会をスクープしたことではなく、議員宿舎のカードキー貸与による保安問題であるようだ。なぜなら、中井国家公安委員長は数年前に奥さんを亡くしていて現在は独身であるから、誰と色恋沙汰を起こそうが個人の裁量の範囲だからである。それ故、30歳年下の銀座ホステスとの路上キス写真を入り口にして目を惹き、議員宿舎のカードキー貸与はけしからんという流れを呼び起こそうとした構成となっている。

さて、その議員宿舎のカードキーなのだが、これについて面白い情報がフリーランスジャーナリストの黒木昭雄氏のツイッターにあったので幾つか抜粋して紹介してみよう。但し内容の正否は僕には確かめようがないので、そのあたりはご自分で忖度していただきたい。

2:17pm, Mar 25
議員宿舎に出入りできる者のリークであることは間違いなし。

2:43pm, Mar 25
記者レベルでは、女性が中井大臣の部屋のカギを持っていた事を知りえない。

6:43pm, Mar 25 from
ガードも厳しいしね RT @dpj_how: RT @igabin: @dpj_how 衆議院の事務局に問い合わせたら、カードキーがあっても、セキュリテイが居ますので安全には問題ありません。他の国会議員の身の安全が守られないという報道内容は、正しいものではありません。

このツイッターにはもっと多くの情報が流れているのだけれど、とりあえず上の3つだけを抜粋した。またRT等も一部削除してある。

要するに問題点は一点である。つまり「誰が国家公安委員長をはめたのか」、である。このスキャンダルは仕掛け人がいないと記者レベルではわからないカードキーの貸与などまでが報じられているからである。

そこで中井洽という政治家はどんな政治家であるのかと調べてみると、彼は社会党衆議院議員(後に離党)であった中井徳次郎の息子であり、民社党から総選挙に打って出て初当選以後、新進党自由党、そして民主党と所属政党が変遷していく中で小沢一郎側近として知られていくのである。また北朝鮮による拉致被害者担当大臣も兼任しており、取調べの可視化法案に熱心であることも知られている。つまり、小沢側近で取調べ可視化法案に熱心な鳩山内閣閣僚という美味しいポジションにいたわけである。

このスキャンダル報道は、事件にならないような事件を大げさに扱って、さも大事件が起きたように装い、鳩山政権と小沢幹事長はじめ民主党全般に風説によるダメージを与えようとする工作のように思えて仕方ないのである。これは先週起きた生方副幹事長の解任問題とは違って、販売部数の落ちた週刊誌を使った陰湿な仕掛けだろう。生方問題は、生方本人が勝手にマスコミ相手に小沢批判を繰り返し、会話内容を無断で録音し公開するという、自分で肥溜めに落ちていったのを利用されただけの話だが、今回は周到に仕組まれている。

所詮どのように引き延ばしても大事件に発展する要素に乏しいので、騒ぐだけ騒いだら一気に終息し忘れ去られるのだろうが、民主党に対するイメージの悪化だけは残ることだろう。それはボディブローのように段々と効いてくる。

取調べ可視化法案に熱心な大臣がはめられたのだから、ここは是非とも取調べ可視化法案を一気に推進して成立させることが何よりの反撃だろうと思うのだが、如何でしょうか鳩山さん。ちゃんと手を打たないと、今後も誰か狙われますよ。

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