ようやく開放される首相官邸記者会見

総理大臣の記者会見がいよいよフリーランスの記者にも開かれる運びとなったようだ。

鳩山首相の記者会見、ネット・フリー記者も出席可能に (asahi.com)
2010年3月24日18時43分

内閣記者会は24日、鳩山由紀夫首相が首相官邸で行う記者会見について、新たにインターネット記者、フリーランスの記者の出席を認める方針を決めた。内閣記者会は規約で、原則として会員以外の記者会見への出席を認めていないが、昨年9月の鳩山内閣発足後、別途、外国特派員や雑誌・専門紙誌の記者の出席を認めていた。今回はさらに枠を拡大した上で、会員以外にも質問を認める。次回の記者会見は26日に予定されている。問い合わせは官邸報道室(03・3581・0101)まで。

首相官邸のホームページを見るとそこにもお知らせがあった。

鳩山内閣総理大臣記者会見への参加について

平 成 22年 3月 24日
内閣総理大臣官邸報道室
 
 鳩山内閣総理大臣の記者会見については、今後、以下のいずれかに該当し、事前登録を行った方は、参加することができることといたします。

1. (社)日本専門新聞協会会員社に所属する記者 (国会記者記章の保持者)
2. (社)日本雑誌協会会員社に所属する記者(国会記者記章の保持者)
3. 外務省が発行する外国記者登録証の保持者
4. 日本インターネット報道協会法人会員社に所属する記者で、十分な活動実績・実態を有する者
5. 上記1、2、4の企業又は(社)日本新聞協会会員社が発行する媒体に署名記事等を提供し、十分な活動実績・実態を有する者

 参加希望の方は、事前登録及び入邸登録のための手続きが必要となりますので、内閣総理大臣官邸報道室(03-3581-0101(代表))までお問い合わせください。

 【次回予定】
鳩山内閣総理大臣記者会見(平成22年度予算成立)
・ 日時 平成22年度予算成立後に決定
・ 事前登録期間 平成22年3月25日(木) 12:00まで

 【留意事項】
* 会見の日時・場所は、事前に官邸ホームページに掲載いたします(個別の照会にはお答えいたしません。)が、十分な時間の余裕をもってお知らせできない場合、急に変更される場合もありえますので、その際には御容赦ください。
* スペースや時間の関係で、参加の御希望に沿えない場合、希望者全員が質問できない場合などもありえますので、あらかじめ御了解ください。
* 参加者は、報道倫理を厳守するとともに、入館手続きや官邸内での移動・取材などに当たり、官邸職員の指示に従ってください(会見室では、記者席からの撮影、個人の資格による動画の撮影はお断りしております。携帯電話、パソコン等の音声にも御注意願います。)。官邸職員の指示に従わない場合等には、退出していただくこともあります。

政権交代から半年以上経って漸く首相官邸の記者会見がフリーランスのジャーナリストらにも開放されることとなったわけだが、ジャーナリストの岩上安身氏のツイッターを見ると、これは用意周到に準備されて開放されるわけではなく、いまだ根強い一部の反対論者を押し切る形で半ば強引に会見開放が行われるようである。

そのあたりの事情は、以下の岩上氏のツイッターで知ることが出来る。

8:59pm, Mar 24
続き。ちなみに先ほど、官邸の事務方と電話で話した際、「民放連が抜けてますよ」と言ったら、「あ…」と言ったきり、絶句。「直した方がいいんじゃないですか? 今なら間に合う」と言うと、聞こえないふりをするように、話題を変えていました(笑)。わざと抜かしたのか、チョンボか、さて?

9:27pm, Mar 24
続き。事前登録の用紙のFAXがまだ送られて来ない。官邸に再度、問い合わせてみる。大あわてで「もうすぐ、出来上がりますから」と。え? 今、申し込み用紙をつくってるの? だって、明日のお昼12時が事前登録の申し込み締め切りですよ。さっき、HPで、自ら告知しておき、まだ用紙がない!?。

9:40pm, Mar 24
官邸のドタバタ、続き。「そりゃ、無茶でしょ」と言いたくなる話も。自分のプロフィールや活動実績を証明する書類を、明日の12時まで送れと。さらに寄稿したり、出演したりしている社の推薦状もつけよという。あのね、どこの世界に他社にお願いするのに明日の昼までと期限を区切る!? 

9:46pm, Mar 24
続き。「いや、そうしたら推薦状は、会見までに用意してもらえれば…」。「会見はいつですか?」「いやそれは…」「明後日の、金曜日でしょ? 情報は入ってますよ」「いや、まだ、反対があるんで、正式発表できないんですよ…」 。まだこの期に及んで、抵抗勢力が? ありえなくはないが…。

10:10pm, Mar 24
続き。今、来ました。出来立てのほやほやの事前登録用紙が。でも、やはり民放連が入ってない。まったく意味がわかりません。ちなみに、なぜこの時期に会見が開くことになったかと言えば、鳩山首相トップダウン。これまでも、事務方に指示を出し、官邸の記者クラブと交渉してきたが、ずっと先送りに…

というわけで、とにかく官邸はバタバタしている。締め切りが明日だというのに、事前登録用紙も出来ていないし、民放連は抜けたまま、推薦状も明日の昼12時までに提出しないといけないなど、この件の裏方のスタッフの右往左往ぶりが伝わってくる内容である。

そしてこの決定が下されたのは鳩山首相トップダウンであるという一文がとても気になっている。というのは、トップダウンで物事が決まるのであれば、政権交代以降いくらでもその機会はあったはずだし、いつでも出来たわけである。それが半年以上も待たされた。

だから一人の下衆として勘ぐるべきは、「どうして今なのか」、「どうしてこのタイミングを選んだのか」という点だろう。

今のタイミングというのは一つハッキリとしていることがある。それは今日は2010年度予算が成立した日なのである。政権交代前に掲げた公約の殆どはいまだ実現されてはいないけれど、子供手当や高校の無償化など一部は条件付きながら成立したのである。鳩山首相としてはここいらでちょっと一息をつき、民主党政権のデメリットばかりを強調する従来のメディアに軽くジャブを放っておこうとしたように思う。

また記者会見開放は鳩山首相の持つジョーカーの一つであったはずである。従来のマスメディアに対する戦略として彼らの嫌がる脱記者クラブ化を行うことは、マスメディアの横並び報道を封じる手段なのである。そのジョーカーを今切ったということは、やはり鳩山首相はそれなりに追い込まれていると見た方がよいのかも知れない。

直近の民主党の状況はというと、本当は真面目にやっているにもかかわらず、西松事件鳩山首相の母親からの政治献金問題、沖縄米軍基地移設問題、石川議員逮捕と小沢幹事長秘書達の逮捕、北教祖幹部の逮捕と小林議員の連座制辞職問題などが常にマスメディアを賑わし、というか彼らが勝手に騒いでいるのだが、鳩山首相の支持率も低下気味であると思われる。こうした閉塞状況を打ち破ろうとするために官邸記者会見を開放する決断を下したというのは、真っ当な手段であるし正論だと思う。

この記者会見開放が成果をあげたら、鳩山首相は次々とジョーカーを切り始めるかも知れない。とりあえず予算成立という大きな山を越えたら、ここから先は誰に遠慮をする必要もない。今まで苦々しく思いながらも耐えてきたことだって今後は我慢する必要はない。少なくとも次回の予算審議まで、或いは補正予算審議までは。

僕はここで鳩山首相の逆襲を大いに期待するものである。ここまで偏向報道や官僚組織、別けても検察組織には痛い目に遭わされてきたのである。是非ここでおぼっちゃまから格好いいオトコになって欲しいと思う。

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